病院長就任のご挨拶
山形大学医学部附属病院は、地域のみなさまからのご協力のもとに、患者さん一人ひとりに最適な医療を安心して受けられる病院を目指して参りました。2019年からのコロナ禍においては、多大なご不便、ご負担をおかけすることになったにもかかわらず、ご支援をいただきましたことに深く感謝申し上げます。
当病院は特定機能病院をはじめとして救急指定病院、地域がん診療連携拠点病院など多くの指定を受ける県内の基幹病院のひとつです。2019年には新たにがんゲノム医療拠点病院の指定を受けて以来、多くのゲノムパネル検査を実施し、患者さんに適したがん治療を提供してきました。2020年には国内で7か所目となる東北・北海道で初の重粒子線治療施設が開設され、これまで800名を超える患者さんに対して治療を完了しています。また、今年4月には山形県で4台目、当院では2台目となる手術支援ロボットが導入され、さらには東北で2番目となるCAR-T細胞治療の準備が進められているなど、今後も患者さんの状態や希望に沿った最新の医療を提供していきます。
ご存じのように、山形県は急激な人口減少と高齢化が進む県のひとつです。医師不足や医師の偏在の問題が表面化しており、地域全体としての医療体制の整備が喫緊の課題となっています。住民のみなさまに必要な医療を適時、適所で受けることができるよう、病院の役割分担を明確にし、在宅医療や介護、生活支援と共に地域の医療体制を再構築していく必要があります。山形県の持続可能な医療のために、ぜひともみなさまのご協力をお願いいたします。
山形大学医学部附属病院は山形県で唯一の医学部に併設された病院であり、医師や看護師の教育と将来の医療の発展に繋がるような医学研究を行いながら、安全を最優先とした最新の医療を地域住民のみなさまにお届けできるよう日々努力を重ねています。みなさまのご意見を真摯に受け止め、地域に愛される病院にしていきます。これからもご指導、ご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
2023年4月