山形大学医学部附属病院では9月22日(木)、村山地域を震源に震度6弱の突然の大地震が起きたことによる大規模災害の発生を想定し防災訓練を実施しました。これに併せて、医学科1年生120人余りが予め設定された模擬患者や付き添い者の役を演じて、車いすや救急車などで搬送され、多数傷病者が救急外来に押し寄せる事案をシミュレーションし、附属病院の医師や看護師などが重症度によって治療選択や搬送の優先順位をつける「トリアージ」の訓練を行いました。
今年4月に開設された救急部隣接のトリアージセンターが防災訓練としては初めて活用されました。まずは、前線であるトリアージポストにおいて問診や検温などにより感染症と非感染症の患者を分け、非感染症患者は救急部前で通常の重症度トリアージを、そして感染症疑い患者はトリアージセンターに搬送し感染症の迅速検査を行った後に重症度トリアージを行うという流れで実施しました。
訓練を指揮した中根正樹救急部長は「これまでのトリアージ方法とは受け入れ手順が異なったため、訓練に参加した医師や看護師には多少の戸惑いも見られたが、訓練が進むにつれて改善された。災害対応における自身の役割を認識することができ、大規模訓練の効果を実感した。緊急時には100%完璧な対応や唯一無二の正解などありえない。常に柔軟な考え方で対処し応急的な対策をも講じられるよう、今後は参加者からのヒアリングを通して課題を抽出し、災害対策マニュアルの改訂や新たな訓練の工夫と発展につなげたい」と話していました。
山形大学医学部附属病院は、山形県地域防災計画において突然の大規模災害における災害医療の拠点と位置づけられ、災害時に発生した多数の傷病者に対して、その受け入れや医療救護班の派遣等を行う任務を担っています。これを前提に本院では、毎年春と秋の年2回、防災訓練を実施しています。
‣ 病院からのお知らせ vol.21(PDF)Topic:感染症対応のトリアージセンターが完成
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(山形大学医学部附属病院救急部) |
酸素アウトレットなどが備わっている |
2つの処置室には陰圧装置が備えられている |
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