山形大学医学部附属病院

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【記者会見】新しい頭頸部用放射線防護具の共同開発について

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左下側からの散乱線を効果的にカットし、目の水晶体、脳、甲状腺の
3か所を防護する「トリプルガード」を装着した佐藤副技師長

 山形大学医学部は、12月22日(木)、医療用X線防護具メーカーの株式会社マエダと記者会見を開き、新しい頭頸部用放射線防護具「トリプルガード」を共同開発したと発表しました。
 IVR(Interventional Radiology/画像下治療)は、X線透視やCTなどの画像で体の中を見ながらカテーテルや針を使って行う治療で、患者さんの負担が少ないことから、増加傾向にあります。(当院のIVR件数:2021年度 1412 件、2020年度 1191 件、2019年度 1305 件)IVRを行う医師はカテーテルを操作する際、X線透視を使用することからX線被ばくによる放射線白内障や脳腫瘍などの発生リスクがあると報告されています。通常、頭頸部のX線被ばくを防護するため、医師は防護用の眼鏡や帽子、頸部用防護カラーを装着していますが、眼鏡の弱点(顔面との隙間からの放射線、レンズの曇り、かけ心地など)や帽子の普及率の低さを懸念する声がありました。
 そこで、当院の放射線部がマエダや他大学と協力して約5年の歳月をかけ、これまでにないユニークな頭頸部用放射線防護具「トリプルガード」を開発しました。人体ファントム実験にて効果を確認したところ、被ばくは右水晶体で89%、左水晶体で92.1%低減し、防護眼鏡と同等もしくはそれ以上の低減率であることがわかりました。
 会見で概要を説明した佐藤俊光副技師長は「眼鏡の弱点を克服できた。水晶体の防護効果は大いに期待できる」とし、目の水晶体、脳、甲状腺の3か所を装着が簡便な一つの防護具でガードできることがメリットと話していました。

記者会見配付資料(PDF)
出席者:
 山形大学医学部附属病院長佐藤 慎哉
 山形大学医学部附属病院 放射線部長、放射線診断科長・教授鹿戸 将史
 山形大学医学部附属病院 放射線部 診療放射線技師長鈴木 幸司
 山形大学医学部附属病院 放射線部 副診療放射線技師長佐藤 俊光
 株式会社マエダ 取締役副社長前田 賢
防護具装着モデル(共同研究者):
 山形大学医学部附属病院 放射線部 診療放射線技師日野 隆喜

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質問に答える佐藤病院長

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質問に答える鹿戸教授

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補足説明をする鈴木技師長

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概要を説明する佐藤副技師長

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質問に答える前田副社長

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質疑応答の様子

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装着モデルを務めた共同研究者の日野技師

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首の後ろにバックルがあり、ワンタッチで着脱可能

論文情報

Title:Development of a New Radiation Shield for the Face and Neck of IVR Physicians
Authors:Toshimitsu Sato, Yoichi Eguchi, Chika Yamazaki, Takanobu Hino, Toshikazu Saida and Koichi Chida*(*Corresponding author )
タイトル:「IVR 術者用の新しい放射線防護具の開発」
著者名:佐藤俊光,江口陽一,山崎智香,日野隆喜,才田壽一,千田浩一
雑誌名:Bioengineering 2022, 9(8), 354; (Impact Factor: 5.046)
https://doi.org/10.3390/bioengineering9080354

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