
山形大学医学部東日本重粒子センターにおける前立腺がんの重粒子線治療が2月25日に始まりました。
副センター長の岩井岳夫教授と附属病院の佐藤啓放射線治療科長が記者会見に臨み、2人の患者さんへの初回の照射治療を問題なく終えたことを報告しました。患者さんは計12回、週4回のペースで3週間にわたる固定照射室での照射治療を受けた後、経過観察のため定期的に同センターを受診することになります。
岩井教授は「山形県民だけでなく東北全域から治療を必要とされる方に受けていただきたい。学生にとっても励みになる最先端の施設。卒業生の県内定着にもつなげていきたい」と抱負を語りました。佐藤治療科長は「重粒子線は治療効果が高く、治療期間も短い患者さんに負担の少ない治療。新たながん治療の選択肢として山形から東北へ広めていきたい」と述べました。
会見では、初日の照射治療を終えた患者さん(60代男性、県内在住)がZOOMで報道陣のインタビューに応じ、「治療室には音楽が流れており、非常にリラックスできる雰囲気だった。担当者から照射しますと言われなければ、照射されているのかどうかわからないほどの感覚。痛みもなく照射時間も長くなく、受けて良かったと思える」と話していました。
8月からは回転ガントリー照射室での治療が始まる予定で、頭頸部、骨軟部、肝臓、すい臓などが対象となります。



晴天にも恵まれ初日を無事に終えることができました