平成29年2月27日(月)山形大学医学部大講義室において、山形大学蔵王協議会主催によるシンポジウム「キャンサートリートメントボード導入から10年目を迎えて—山形県内での普及を目指して—」を開催しました。
山形大学医学部附属病院では、複数の診療科の医師に加え、看護師、薬剤師、放射線技師などの多職種が一堂に会してがん患者の治療方針を議論する場である「キャンサートリートメントボード(以下、「CTB」)」を平成19年9月に開始してから10年が経とうとしております。本院では、現在、14のがん種に対応したボードを年間200回以上開催しており、年間延べ5,000名を超えるスタッフが参加し、適切な治療方針の決定に重要な役割を果たしています。そこで、この取組を全県的に普及させることは、がん患者にとって大きな利益となると思い、更なる普及・情報発信のために、このたびシンポジウムの開催を企画いたしました。
シンポジウムでは、最初にCTBの立ち上げに尽力された根本建二病院長ほか2名の医師による基調講演が行われた後に、嘉山孝正蔵王協議会会長を座長として、本院の6名の医師をパネリストとしてパネルディスカッションが行われました。当日は、平日の夕方にも関わらず、山形大学蔵王協議会加盟機関の医療関係者、本学医学部医学科の学生など400名を超す出席者があり、皆熱心に耳を傾けていました。
また、シンポジウム開始に先立ち、実際に行われているCTBの公開も行われ、蔵王協議会加盟機関の医療関係者に実際の雰囲気を体験していただきました。
なお、山形大学医学部では、3月中にCTBの紹介動画を本ホームページ上で公開し、CTBの県内外への更なる普及に努めたいと考えております。
シンポジウム会場の様子
パネルディスカッションの様子
【当日のプログラム】
第1部 キャンサートリートメントボードの状況について
「CTBの立ち上げから仕組みとその効果」
山形大学医学部附属病院長 根本 建二
「多職種CTBの放射線治療に及ぼす影響」
山形大学医学部放射線腫瘍学講座助教 市川 真由美
「化学療法の治療方針にCTBが及ぼす影響」
山形大学医学部附属病院腫瘍内科医員 中村 翔
第2部 パネルディスカッション
座 長/山形大学蔵王協議会会長 嘉山 孝正
パネリスト/山形大学医学部附属病院長 根本 建二
山形大学医学部臨床腫瘍学講座教授 吉岡 孝志
山形大学医学部附属病院第一外科病院教授 蜂谷 修
山形大学医学部附属病院第一内科助教 井上 純人
山形大学医学部附属病院疼痛緩和医療部長 山川 真由美
山形大学医学部附属病院放射線診断科講師 鹿戸 将史