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この度、大学病院としては北海道・東北で初めて、手術支援ロボットであるMAKOシステムを山形大学医学部附属病院に導入しました。山形県でも初めてとなりますので,紹介させていただきます。対象手術は人工股関節全置換術と人工膝関節全置換術になります。このMAKOシステムを用いると、患者様個々の解剖学的特徴に基づいた最適で精密な手術計画を立てることが可能となります。さらに、手術中に人工関節インプラントの設置位置や設置角度をリアルタイムで確認でき、計画通りの正確な手術が可能となります。
ロボット支援下の人工股関節全置換術(図1,2)では,人工関節の設置角度や脚長補正の正確性が飛躍的に向上します。これまで用いてきたナビゲーション下の手術では、人工関節インプラントの設置角度に計画と5度以上の誤差が生じることがあったのに対し、本手術では5度以上の誤差は皆無です。精密な術前計画・正確な術中確認および高い設置精度により、人工股関節全置換術の最大の合併症の一つである脱臼の発生を予防することが可能となり、人工股関節手術のさらなる長期成績の向上も期待されます。
人工膝関節全置換術では、人工関節を機能軸に垂直に設置するメカニカル アライメント法が長く行われてきました。長期成績は良好ですが、患者様の約2割で十分な満足感が得られていません。そこで、近年、患者様生来の関節面を再現することで、より自然な膝の運動や軟部組織バランスを得ることを目指すキネマティク アライメント法が注目され、山形大学と関連病院ではこの方法を全国に先駆けて行ってきました。今回、手術支援ロボットを導入することにより、キネマティク アライメント法よりもさらに術中に患者様個々の軟部組織バランスにあわせて適切な骨切りとインプラント設置を行うファンクショナル アライメント法を行えるようになり、一層正確でより安全な手術が可能となりました(図3,4)。人工膝関節手術でもさらなる成績向上および患者様の満足度向上が期待されます。
大学病院には難治性の股関節障害や膝関節障害、また併存症を抱える患者様が数多く紹介されてきます。このような患者様にもより高度で先進的な人工関節手術を受けていただくことが可能となりました。今後も様々な患者様に安心して先進的な治療を受けていただけるよう努めながら、情報発信してまいりたいと存じます。引き続き、お力添えのほど何卒よろしくお願いいたします。