前立腺がんの重粒子線治療は、2018年4月から保険診療として治療されています。
山形大学医学部東日本重粒子センターでは、2020年10月から前立腺がんの重粒子線治療の予約受付を開始し、11月1日から診療を開始します。
なお、前立腺がんに対する重粒子線照射は2021年2月下旬の固定照射室の稼働後より順次実施します。
【治療対象】
転移のない前立腺がん患者さんすべてであり、前立腺全摘術後や放射線治療後の再発患者さんは適応外となります。
【照射治療回数】
3週間12回法(1日1回/週4回)が標準分割法となっており、当センターでも3週間12回法の重粒子線治療を行います。
【期待される効果と副作用】
先行施設における3週間12回法の5年生化学的非再発率※は全体で92.6%です。
一方、放射線治療で問題となる直腸出血の頻度は極めて低いものとなっております。
※5年後に腫瘍マーカー(PSA)が再発基準値を超えない割合
【リスク毎の治療方針】
NCCNのリスク分類による治療方針は、低リスク症例は重粒子線照射のみ、中リスク症例は約6ヶ月間のホルモン療法を併用、高リスク症例は約2年間のホルモン療法を併用します。中リスクならびに高リスク症例は、重粒子線治療前に半年程度のホルモン療法を先行しております。ホルモン療法の先行によりがんの進行が抑えられることから、重粒子線治療開始までの期間は問題にならないことが多いのですが、心配な場合には当センターにご相談下さい。
【治療費】
治療費については、公的保険ならびに高額医療費制度が適用されます。
【受診方法】
完全予約制となっておりますので、まずは主治医・お近くの専門医(泌尿器科)にご相談ください。
地域医療連携センターで予約受付を行っております。
山形大学医学部附属病院 地域医療連携センター TEL:023−628-5160 FAX:023−628-5161 |
前立腺がんの重粒子線治療開始に向けて、今後とも安全、安心な医療が提供できるよう努力してまいります。
前立腺がん以外の疾患は、回転ガントリー室での重粒子線照射となり、現在機器の調整中です。
治療開始は2021年夏頃を予定しておりますので、今しばらくお待ちください。