脳卒中とは
脳卒中という言葉は、「脳が卒(にわ)かに中(あた)る」という意味で、脳の血管が破れて出血する「出血性脳卒中」と、血管が詰まって血流が途絶える「虚血性脳卒中」の総称です。具体的には、「脳梗塞」、「脳出血」、「くも膜下出血」の3つの病型に分類されます。中でも脳梗塞が最も多く、全体の約75%を占め、次いで脳出血、くも膜下出血の順です。
脳卒中はかつて主要な死因でしたが、現在は「がん」「心疾患」「老衰」に次いで第4位に下がっています。一方で、死亡率が低い脳梗塞の患者数が増えており、後遺症による要介護者の増加が社会的課題となっています。要介護の原因では、認知症に次ぐ第2位であり、特に寝たきり状態を示す「要介護5」では脳卒中が最大の原因となっています。
予防の重要性
脳卒中を防ぐには、一次予防、つまり発症を未然に防ぐことが重要です。そのためには、高血圧、糖尿病、脂質異常、喫煙、過度の飲酒など、生活習慣に関連する危険因子を減らすことが鍵となります。
治療方法
急性期の治療法は病型によって異なります。
- 脳梗塞では、血栓を溶かす「rt-PA静注療法」(発症4.5時間以内に適用)や、カテーテルを用いた「機械的血栓回収療法」(発症8時間以内)などが行われます。他に抗凝固薬、抗血小板薬、脳保護薬が使用されます。
- 出血性脳卒中では、降圧療法が基本となり、脳出血の場合には血腫の大きさや部位に応じて、開頭手術または内視鏡を用いた血腫除去が行われます。
- くも膜下出血の主な原因である脳動脈瘤破裂については、開頭手術による「クリッピング術」や、血管内治療である「コイル塞栓術」が選択されます。治療法は患者の年齢や重症度に応じて決定されます。
このように、早期発見・治療が重要であると同時に、生活習慣の改善による予防が社会全体の課題といえます。
小さな悩みや不安も
お気軽にご相談ください
お気軽にご相談ください
相談窓口に行く
電話で相談